お悩み子供たちはみんな都心に家を買ったし、墓じまいした方が良いのかな



これまで先祖で継いできたお墓をなくして良いのか決心がつかない……
本記事では、上記のようにお悩みの方に向け、墓じまいをした方が良いケースについて解説します。
お墓の管理が難しくなってきた場合やお墓が遠方にある場合には、墓じまいを検討しましょう。
早めに動き出すことで、次の供養も納得のいく形で行いやすくなります。
お墓が遠方にある場合や、承継者がいない場合は、墓じまいを検討するタイミングかもしれません。
お墓をそのまま放置すると、無縁墓として扱われたり、寺院・霊園とのトラブルにつながったりする恐れもあります。
ただし、墓じまいは一度行うと元に戻すことが難しいため、家族や親族と十分に話し合い、墓じまい後の供養方法まで決めておくことが大切です。
後悔のない墓じまいをするためにも、元気で自由に動ける段階で墓じまいの計画を立て始めることをおすすめします。
本記事では、墓じまいをした方が良いケースや手続きの流れ、放置するリスクについて解説します。
【結論】お墓が遠い・承継者がいない場合には墓じまいを検討しましょう
お墓が遠方にあり定期的なお墓参りが難しい場合や、お墓を継ぐ人がいない場合には、墓じまいを検討するタイミングといえます。
お墓は建てた後も、掃除や草むしり、お墓参り、管理料の支払いなどを続けていく必要があります。現在は何とか管理できていても、年齢を重ねるにつれて移動や掃除が負担になったり、子供や孫の代でお墓を守る人がいなくなったりするケースも少なくありません。
墓じまいをすれば、現在のお墓から遺骨を取り出し、永代供養墓や納骨堂、樹木葬、散骨など、今後の管理負担が少ない供養方法に切り替えられます。もちろん、先祖代々のお墓を閉じることに抵抗を感じる方もいるため、すぐに決断する必要はありません。
しかし、お墓の管理が難しくなっているにもかかわらず放置してしまうと、無縁墓になったり、親族間のトラブルにつながったりする恐れがあります。将来の不安がある場合には、元気なうちに家族や親族と話し合い、墓じまいを含めた供養の方法を検討しておくことが大切です。
墓じまいをした方が良いケース
墓じまいは、すべての家庭に必要な手続きではないものの、現在のお墓を維持し続けることが難しい場合や、将来的に管理する人がいなくなる可能性が高い場合には、早めに検討した方が良いでしょう。
- お墓が遠方にある
- お墓を継ぐ人がいない
- お墓参りやお墓の管理が難しくなってきた
- お墓の維持費が負担になってきた
- 子供や孫・親族にお墓のことで迷惑をかけたくない
ここでは、墓じまいをした方が良い代表的なケースを紹介します。


お墓が遠方にある
お墓が自宅から遠い場所にある場合、墓じまいを検討してみても良いでしょう。
例えば、実家の近くに先祖代々のお墓があるものの、現在は都市部や遠方に住んでいる場合、お盆やお彼岸のたびに帰省してお墓参りをするのは大きな負担になるはずです。
交通費や宿泊費がかかるだけでなく、仕事や育児、介護などの都合で帰省そのものが難しいこともあるでしょう。
お墓参りの頻度が下がると、墓石の汚れや雑草が目立つようになり、周囲のお墓や寺院・霊園に迷惑をかけてしまう恐れもあります。
特に、高齢になると、長距離移動や炎天下での掃除が体力的に厳しくなることもあります。
このような場合には、自宅近くの納骨堂や永代供養墓へ遺骨を移すことで、お参りしやすくなり、管理の負担も軽減できます。
お墓を継ぐ人がいない
お墓を継ぐ人がいない場合も、墓じまいを検討した方が良い代表的なケースです。
お墓は、一般的に「祭祀承継者」と呼ばれる人が引き継ぎ、管理料の支払いやお墓の維持を行います。
しかし、以下のようなケースでは、将来的に承継者がいなくなる可能性もあるでしょう。
- 子供がいない
- 子供がいても遠方に住んでいる
- 娘が結婚して別の姓になっている
- 親族にお墓を継ぐ意思がない
承継者がいないままお墓を放置すると、管理料の未払いが続いたり、墓地管理者から連絡が取れなくなったりして、最終的には無縁墓として扱われる可能性があります。
お墓を継ぐ人がいないとわかっている場合には、自分の代で墓じまいを行い、永代供養などに切り替えておくと安心です。
お墓参りやお墓の管理が難しくなってきた
お墓参りやお墓の管理が難しくなってきた場合も、墓じまいを検討するタイミングです。
お墓は管理費もかかりますし、以下のような管理を行わなければなりません。
- 墓石の掃除
- 草むしり
- 供花や線香の準備
- 管理料の支払い
若いうちは問題なくできていても、高齢になると体力的な負担が大きくなります。
石材店にお墓の掃除やお花の手配を依頼することもできますが、年金暮らしの高齢者にとって負担が大きいと感じることもあるはずです。
「行かなければならない」と思いながらも行けない状態が続くと、心理的な負担にもなりかねません。
お墓の維持費が負担になってきた
お墓の維持費が負担になってきた場合にも、墓じまいを検討する余地があります。
お墓を維持するには、霊園や寺院に支払う年間管理料がかかります。
寺院墓地の場合には、管理料のほかにお布施や寄付、法要に関する費用が発生することもあります。
金額は墓地や寺院によって異なりますが、長期的に支払い続けるとなると、家計への負担を感じる方もいるでしょう。
特に、年金生活になった後や収入が減った後は、これまで問題なく支払えていた費用でも負担に感じやすくなるはずです。
墓じまいには一時的な費用がかかりますが、その後は年間管理料が不要または少額で済む供養方法を選べる場合があります。


子供や孫・親族にお墓のことで迷惑をかけたくない
子供や孫、親族にお墓のことで迷惑をかけたくないと考えている場合も、墓じまいを検討するきっかけになります。
お墓は、自分が管理できている間は問題がなくても、将来的には次の世代に管理の負担が引き継がれます。
以下のようなケースでは、子供や孫がお墓を継いだときに負担に感じる可能性もあるでしょう。
- 子供が遠方に住んでいる
- 仕事や家庭で忙しい
- お墓に対する価値観が自分たちの世代と異なる
子供や孫にお墓を継ぐ意思があっても、親族同士で誰がお墓を継ぐか揉めたり、管理費用の負担でもめたりすることもあります。
自分の死後に子供や親族が困らないようにするためには、生前のうちにお墓の扱いについて話し合っておくことが大切です。
私の祖母も墓じまいをしましたが、その大きな理由のひとつが「子供や孫に負担をかけたくない」といったものでした。
私から見てみると、母の世代は兄弟姉妹も多く、お墓の管理をなんとか行うことができても孫(私たちの世代)は人数が少なく、疎遠なのでお墓の管理は難しいだろうと感じました。
正直な話、祖母の決断は孫の立場から見て「ありがたいな、私たちのことまで考えてくれている」と思いました


墓じまいの手続きの流れ
墓じまいを行う際は、いきなり墓石を撤去するのではなく、親族との話し合いや行政手続き、墓地管理者への相談などを順番に進める必要があります。
一般的な流れは以下の通りです。
- 家族や親族と墓じまいについて相談する
- 墓地管理者や寺院に相談する
- 新しい納骨先や供養方法を決定する
- 改葬許可証を取得する
- 閉眼供養をし遺骨を取り出す
- 墓石の撤去工事をする
- 墓地を返還する
- 新しい納骨先に納骨する
まずは、家族や親族と墓じまいについて十分に話し合いましょう。
お墓には複数の親族の遺骨が納められていることも多く、独断で進めると後からトラブルになる恐れがあります。
次に、墓地管理者や寺院へ墓じまいを検討していることを相談します。
寺院墓地の場合は、離檀料や閉眼供養のお布施が発生することもあるため、事前に費用や手続きの流れを確認しておくと安心です。
また、現在のお墓から取り出した遺骨をどこへ移すのかも決めなければなりません。
近年は、様々な供養方法が増えており、以下のような選択肢があります。
- 永代供養墓
- 納骨堂
- 樹木葬
- 散骨
今後の管理負担や費用、家族の希望に合う供養方法を選ぶことが大切です。
新しい納骨先が決まったら、自治体で改葬許可証を取得し、墓石の撤去や閉眼供養どを進めていきます。


墓じまいをしないで放置するリスク・デメリット
お墓の管理が難しいからといって、墓じまいをせずに放置することは絶対に避けましょう。
お墓を放置すると、雑草が生い茂ったり、墓石の破損や倒壊リスクが高まったりするなど、管理不全の状態になってしまいます。
お墓を放置する主なリスク・デメリットは、以下の通りです。
- お寺や墓地管理者とのトラブルになる
- 管理料の未払いが続くと契約違反になる恐れがある
- 無縁墓として扱われ、墓石が撤去される可能性がある
- 遺骨が合祀墓へ移され、後から取り出せなくなる場合がある
- 周囲の墓地利用者や地域住民に迷惑をかける
- 墓石の倒壊などで第三者に被害が出る恐れがある
特に注意したいのは、長期間管理されていないお墓が「無縁墓」として扱われる可能性がある点です。
管理料の未納や連絡不能の状態が続くと、墓地管理者による掲示や公告などを経て、墓石が撤去されることがあります。
撤去後の遺骨は合祀墓に移されるのが一般的であり、取り出すことは原則としてできません。
管理が難しくなってきた段階で、墓じまいや永代供養など、今後の供養方法を早めに検討しましょう。


墓じまい後の供養方法
近年は墓じまいをする方も増えており、供養方法も様々なものが用意されています。
| 供養方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 永代供養墓 | ・施設が管理・供養を行うため後継者が不要 ・費用を抑えやすい | ・多くの場合は合祀されるため、後から遺骨を取り出せない |
| 納骨堂 | ・屋内施設で天候に関係なくお参りできる ・アクセスが良い場所が多い | ・期間が設定されていることが多い ・最終的には合祀される場合がある |
| 散骨 | ・自然に還ることができる ・お墓の管理が一切不要になる | ・一度行うと遺骨を取り戻せない ・周囲への配慮や専門業者への依頼が必要 |
| 樹木葬 | ・自然志向の人に人気 ・一般墓より費用が抑えられ、後継者も不要 | ・自然型(山林)の場合はアクセスが不便なことがある |
| 手元供養 | ・故人を身近に感じられる ・お墓を持たない選択もできる | ・保管環境に注意が必要 ・将来的に遺骨をどうするか決めておく必要がある |
| 一般墓 | ・先祖代々のお墓として継承できる | ・墓石の建立費用や管理費がかかる ・お墓を継ぐ人が必要 |
| 分骨 | ・複数の場所で供養できる ・個々の希望に合わせられる | ・分骨に抵抗感を持つ親族もいる ・分骨証明書の手続きが必要 |
上記のように、それぞれメリットとデメリットがあるので、初期費用やランニングコスト、管理負担などをもとに自分に合った方法を選ぶことが大切です。


墓じまいをした方が良いケースについてよくある質問
最後に、墓じまいについてよくある質問を回答と共に紹介していきます。
- 墓じまいの際に遺骨はどうすれば良いですか?
-
墓じまいをする際には、現在のお墓から遺骨を取り出し、新しい納骨先や供養方法を決める必要があります。
墓石を撤去したからといって、遺骨をそのまま自宅で長期間保管したり、勝手に別の場所へ埋葬したりできるわけではありません。
また、遺骨を取り出し別の場所に納骨する場合には、「改葬許可書」の申請が必要となるので事前に準備しておきましょう。
- 墓じまいを避ける時期はありますか?
-
墓じまいは、法律上「この時期に行ってはいけない」と決められているわけではありません。
そのため、基本的には家族や親族、寺院・霊園、石材店の都合が合えば、どの時期でも手続きを進められます。
ただし、実務上は、お盆やお彼岸、年末年始など寺院や霊園が忙しくなる時期は避けた方が良いでしょう。
他には、真夏や真冬は墓石の撤去工事の負担も大きくなりますし、閉眼供養・開眼供養の参加も大変になるので避けることをおすすめします。
- 墓じまいをして後悔することはありますか?
-
墓じまいをした後に、後悔してしまうケースもあります。
多いのは、親族との話し合いが不十分なまま手続きを進めてしまった場合です。
家族や親族と十分に話し合うことなく墓じまいをしてしまうと、後からトラブルが起きたり、家族・親族から反発が起きたりします。
他には、十分に見積もりをしないまま墓じまいをしてしまうと、思ったより費用が高額になり後悔してしまうこともあるでしょう。
まとめ|墓じまいは早めに検討することをおすすめします
お墓が遠方にある場合や、継ぐ人がいない場合、管理や維持費が負担になっている場合には、墓じまいを検討するのも選択肢のひとつです。
墓じまいをすれば、無縁墓になるリスクを防ぎ、子供や孫にお墓の管理負担を残さずにすみます。
一方で、墓じまいには親族との話し合いや改葬許可証の取得、墓石の撤去、新しい納骨先の決定など、複数の手続きが必要です。
後悔しないためにも、費用や供養方法を比較しながら慎重に進めましょう。


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